東京
欠け始め: 09:53
食最大: 11:08 (食分0.75)
食終了: 12:28
お前ら……準備はできているか……?
日蝕の日に生まれた子は「忌み子」とされ、山奥に捨てられるか、殺されるか。
運よく生き延びられたとしても、「忌み子」達はある共通の身体的特徴から、社会に受け入れられる事は決してなかった。
右腕にある、大きな傷跡。手首から肩にかけて、まるで蛇が這っているかのような傷跡。
その傷跡のせいで、迫害や争いが絶えることはなかった。
そして土地を奪われ続けた彼らはついに、呪われた地「惡於叉鬼」へと追いやられた。
――惡於叉鬼。魑魅魍魎が蔓延る、魔都市。
魔物を惡於叉鬼の地に封じてから3000年が経った今でも、惡於叉鬼には魔力と妖気が満ちている。
しかし「忌み子」達の傷跡は魔を取り込み、邪悪に侵されることは無かった。
傷跡は、彼らが他の人間とは違う「力」を持つ事の証でもあったのだ。
やがて「忌み子」達は惡於叉鬼に蔓延る魔物を自らの力に隷属させ、魔都市を強大な帝国へと成長させた。
彼らは、帝国をより強大なものにすべく、多くの子を残した。
「忌み子」であるが故か、彼らの命は長いものではなかったのだ。
傷跡と力を継ぐ息子たちは、再び来る日蝕の時を待った。
「忌み子」が誕生した光が蝕まれしその日こそ、秘められた「力」の解放が許される。
そして46年の時を経た今、彼らの復讐劇が始まる――。
*2009年06月26日00:58